優れたビジネス・パーソン育成のための選択哲学

コロンビア大学 アイエンガー教授の『選択』に関する授業にはいつも感心させられる。このビジネス・スクールは日本でいう大学院の経済学科にあたるが、それにしても極めてレベルが高いと言わざるを得ない。なぜなら、通常こういう事は社会へ出て実際にビジネス・リーダーになってから、さらに長い時間をかけて実践の中で身につけるものだからだ。それを学生のうちから教えてもらえるなんてラッキー以外の何物でもない。社会人の参加者が多いのも頷ける。

統計によると「米国の典型的リーダーは 週あたり平均130件もの決断を迫られていて、ひとつの決断に要する平均時間は9分間。重要なのは、その中でも【1時間かけて決断するような重要項目】だといわれる。」なぜなら、その重要な決断こそが自分の価値を高めていくからだ。つまり、何を重要と選択するか?で、リーダーの真価もはかられるというわけである。

選択の方法は、おもに【『選択を』省く・分類する・順序を決める】の3つ。
1.選択を減らす(省く)と顧客満足度は向上する。
2.わかりやすく分類すると選択はストレスにならない。
3.選択項目が複数ある場合は、選択肢のより少ないものから選択を始める。

など、現実的統計を例に出し、それらを現実に従って検証していた。もちろん、経験ある優れたビジネス・パーソンなら、上記の事象は自明の事実であり、すでに知っているはずだ。しかし、そういった既存知を改めて学術的に整理してもらえると、より決断に対するコンスタント性が増すに違いない。最後に「この経緯をたどる理由はすべて、選択そのものを整理して『情報に基づく直感を働かす』ためである。」と締めくくられていたが、まさしくそのとおり。これを認識・実践・感性と置き換えても同じであろう。哲学をわかりやすく説明するのに、今回もまた 大変参考になる講義であったと思う。