プラチナバンドをソフトバンクへ!で見えてくる既得権益の様相

最近、既得権益の崩壊が目立つ。これも時代の流れだろうか。総務省は携帯電話の電波がつながりやすい周波数帯。いわゆる「プラチナバンド」と呼ばれる900メガヘルツをソフトバンクモバイルへ割り当てることを決め、700メガヘルツについても今夏をめどに3社に割り当てると発表した。現在3社の契約数は、ドコモ5962万件、KDDI(au)3430万件に対し、ソフトバンクは2784万件だが、おそらくこれで将来は【つながりにくさ】というハンデがなくなったソフトバンクの一人勝ちが予測されてくる。その根拠は、もちろん経営者の器が違いすぎる点にあるが、スポーツなどの各種競技でも実力的にあまり差があれば、ハンデがあってちょうど良いくらいだし、それは経済においても変わらないことだろう。

原発事故以来、電気事業は窮地に追い込まれた。政府から資金援助や各種優遇を受けていたJAL・エルピーダなども市場の荒波にさらされている。ハンデを取り上げてしまえば一時的に市場バランスが崩れる。それゆえ政府関係者はできるだけ現状を維持したいのだが、どうも全体的にそうも言ってられなくなってきたようだ。欧米の景気が安定してる場合には 大量の国債を発行したりゼロ金利を維持しながら【国内事情のみ】でやりくりしていればよかった。しかし世界が不景気になれば、当然 国外からのプレッシャーにより「日本独自の既得権益」も排除の方向へとむかわざるを得ない。そうなると、まずは経済市場における各種ハンデから消滅させられるわけだ。そして、ここで同時に出てくるのが社会保障の削減や増税論である。もし、これらを強固に拒めば バブル崩壊よろしく、世界中から証券や不動産などの底を抜かれる。これは国内証券市場における株取引の7割が海外投資家によって支えられている現状を考えれば明白だろう。つまり、何が起こるか?は、ほとんど国内の出来事に関係なく生じるという話である。

どんな政策も それ自体が悪いわけじゃではない。過去には既得権益政策も必要だったのだ。たとえば ケインズ経済もハンデを与えられた団体や企業へ資金が流出せず、理想とされる市場倫理が実際に機能するなら乗数効果も見込めるはずだった。けれど、それは絵空事に過ぎない。要するに なぜ歴史上、いつも「困窮を極めた後に復活する国」が多いかといえば、それは以前と政策が変わったんじゃなく、あらゆる諸事情から構造的閉塞機構へ資金を供給できなくなり、仕方なしに まともな状態で資金を回さざるを得なくなったからである。現況は まさにそういった傾向を顕著に示してるように思われるが、これで ますます「補助金ビジネス手法」に長け、既得権益構造によって潤ってきた高齢者の職場は少なくなるだろう。当然 失業率も高くなるが、事実に目を向ければ、それは これまで優遇され続けてきた団塊世代以上が、若者と同じ職場事情へ置かれるだけの話とも受け取れる。ゆえに繰り返されてきた経済の歴史は、けして進化を遂げてきたわけではなく、昔ながらのまったく同様のシステムの中で、時代の流れや世界の諸事情に応じて その中身の様相を微妙に変えてきたに過ぎないと言えるのかもしれない。