人種差別は薬で治る?

オックスフォード大学の研究者が心臓病の薬で人種差別意識を緩和できそうなことを発見した。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2012/03/post-2466.php 「一般的によく使われている心臓病の薬で、潜在的な人種差別意識が改まる可能性がある」との発表だ。

研究では、交感神経の働きを抑えるベータ遮断薬「プロプラノロール」を服用した人と、プラシーボ(偽薬)を服用した人を比べた。すると前者のほうが、人種的偏見を抱く傾向が少なかったと、英インディペンデントが報じたのだ。ちなみにプロプラノロールは、心拍などの自律的機能をコントロールする神経回路に作用する薬。同時に、恐れや感情反応に関係する脳の部位にも作用するそうだ。そのため不整脈や高血圧などのほか、不安やパニック障害などの治療にも使用されている。今回の研究結果から、研究を行った科学者たちは【人種差別は「恐れ」に根差すものだと説明出来るだろう】としている。

しかし、倫理観や道徳からすれば、人間の心を薬で左右してきた経緯には、戦時中を含めて さまざまな歴史の暗黒部分が横たわる。この点については、今後も議論を呼びそうだが、この辺が薬事の限界であろう。この研究でわかった最も重要なことは「心情や感情、人の考え方は物理的な脳作用によって大きく影響される」という点である。ならば、薬を使わずとも、脳の機能を熟知し、それらを有益な方向へと導いてさえいければ、自分の手で自らの人格も有意義に変えていけるのではないだろうか。まさしく それが筆者の研究課題の中核であると同時に、真の教育だとも思われる。科学の進歩により、ますます 教育の意義が問われる時代となってきた。