AIJ・アイティーエム証券・旧社会保険庁OBの国会招致

衆院財務金融委員会に参考人招致された AIJ投資顧問の浅川社長は「だますつもりはなかった」と語り、販売や勧誘の窓口となった アイティーエム証券 西村社長と、旧社会保険庁OBのコンサルタントは「私は被害者です」なんてとぼけている。報道で繰り返された彼らの受け答えを聞いて「すごいなぁ〜。まるで国会答弁みたいだ。」と 思わずつぶやいた方も多いだろう。

それもそのはずで、このやり取りは 国の委員会で行われたもの。つまり、質問するのも国会議員なら、答えるのも官僚出身者。ならば 答弁みたいになるのも当たり前なのである。この年になって、いろいろ経験してくると、このような人物ばかりが世間にあふれてる現状なんて 十分承知しているつもりだが、改めてこういった現実を見せつけられると、やはりへこむし 未来も不安になろうというものだ。

「水増しはしたが、だますつもりはなかった。」 つまりこれは「虚偽記載はしたが詐欺ではない」と言いたい訳だが、これは 金融法に関する罪なのか?民法の詐欺罪なのか? という論点に関係してくる事象だ。詐欺罪の刑罰は金融関係法よりも重い。要するに、この期に及んでも「顧客から預かった資金を損したままで返したくなかった。損失を取り戻す自信もあった。」と心情的な部分を強調することで「なんとか軽いほうの罪で済ませてね」という姿勢を堅持しているわけである。

招致を受けた3者ともに、日本中を敵に回しても、どんなにみっともなくても、保身をはかりたいのには、おそらく もっと深い事情があるのだろう。たいていの予測はつくが、それらに言及するのはやめておく。利権産業の裏側は、たんに当事者の人的資質や道徳観ではかれるほど単純ではないのだ。どんなに威厳を保とうとしていても声が震えていた その背景には、本人たちの計り知れないほどの恐怖が見て取れた。莫大な資金の影には、つねに 正義感や世論で断罪できるほど わかりやすい構図は存在しないものだが、それほど この件は金額が大きすぎるのである。そういった背景が、こういう事案をいつも曖昧にし、やがてはうやむやにしてしまうのであろう。