散りゆく桜を見て、故人を偲ぶ

今日は少し時間が出来たので、公園のベンチに座り、散りゆく桜を眺めながら、昔に会話した 素晴らしい哲学者とのやり取りを思い出していた。この方は 日本のみならず、世界の知識人なら誰もが知っている人だが、残念なことに 今はもうこの世にはいらっしゃらない。

著書を何百冊と出版されているが「そんなに数多くの本を書き綴った理由は何か?」と尋ねたときの返答が本当に素晴らしかった。「大衆は毎回出された本の内容を真実だと思いこむ。それは仕方がないことだ。しかし、真実など何処にもありはしない。だから、一度でも自らの断片的思想を文字にしたなら、何度でも 自分自身を否定し続けなければならないのは明白だ。永遠に終わりなき論理の否定。これがテキスト文化において変化を表す 唯一の手立てとなろう。自らの実践の総体によってトータルなものを世に示していく。それこそが哲学である。」

筆者は こんなにすごい人物を他に見たことがない。マニュアルやノウハウ本を一つや二つ出版して「これが最高のものです」なんて吹聴してる人や、断片を捉えただけの学説をいつまでも提唱してる学者さんたちにも、是非とも見習ってほしいものである。論理に真実なし。方法論やマニュアルで結果が出るものなし。どこにも答えや正解などない。そんなの探し続けるだけムダである。価値があるのは、その方の人生におけるトータルな生き様のみである。