日本の浮桟橋が米オレゴン州に漂着

昨年3月11日に日本の東北地方沿岸が津波に襲われた際、青森県三沢港にあった貨車ほどの大きさもある4つの浮桟橋が流された。その浮桟橋の1つはすぐさま近くの島に漂着したが、その他はまだ見つかっていなかった。風と海流の赴くまま漂流し続けたと考えられるが、この度、そのうちの1つが8000キロに及ぶ信じ難い航海の末、米オレゴン州の浜辺に到着したそうだ。

当然、浮桟橋と一緒に多くの生物も漂着したのだが、そこには小さなカニや藻、ヒトデなど日本固有の種が含まれている。このため、専門家はそれらが米西海岸で繁殖してしまう可能性もあると危惧しているようだ。オレゴン州立大学ハットフィールド海洋科学センターはこの事態を「陶器店にボーリングのボールを投げ込むようなものだ。何かは壊れるだろうが、それが貴重なものになるか、安いガラスになるかは分からない。次に何が起こるかを予測するのは非常に難しい」と米国らしい表現で揶揄している。州当局は、この対応策として、浮桟橋から全ての生物をこすり取って砂の中に埋め、これ以上広がらないようにする計画を検討し始めたとのこと。

この一連の出来事を見るにつけ【原発や核実験に関する世界各国の対応みたいだ】と感じたのは筆者だけではないだろう。「核廃棄物は地中深くに埋めたりして、封じ込めて漏れ出さないようにすればいい」 ここ数週の間に アラスカ州にはサッカーボールが漂着、カナダ・ブリティッシュコロンビア州にはオートバイを積んだコンテナが到着した。固有の生態系っていったい何だろう? 気の遠くなるような時間で自然現象をとらえれば、種も遺伝子も拡散し融合し続けてきたはずである。どうも人は「変わらない」という 非自然的現象に固執したがるみたいだ。自然を守るといいながら自然に反することをやり、自然を人間的なものへと押しこめてしまう。誰もが現実を見ているようで見ていないし、聞いているようで聞いていない。うまくいかない理由も、長続きしない原因も、じつはそんなところにあるような気がしてならない。