東電・関電 株主総会

電力9社が 27日 株主総会を開いた。各総会の会場には、猪瀬東京副知事や橋下大阪市長らも姿を見せて意見を述べたが、例によって すべての株主提案が否決された。もちろん、彼ら首長の狙いは世間全般に対する啓蒙であって、主張が通るとの目算は最初からなかったばずだが、それにしても声を上げる側に立つのは たいへんなことである。いかにも不毛と思えるようなものでも鼓舞し続けなければ何も変わりはしないのだ。ではいったい何故、電力会社には一般常識が通用しないのだろうか。

その根本には、まさしく日本の各企業がいまだ固執してやまない 古い古い慣習「持ち株制度」がある。たとえば東電の大株主には銀行・生保など金融機関が名を連ねてるが、逆に東電の関係各社も それら金融機関の株を保有する。つまり、お互いの株において 持ちつ持たれつの関係なのである。したがって、東電の株が下がれば、彼ら金融機関には株式損だけでなく、自社の経営にさえ影響を及ぼすといった連鎖が生じてくるわけだ。よって 大株主たる彼ら金融機関は、当然「あなたの一番有利な採決を」と、委任状を東電へ託すことになる。だから いくら正論を議題に挙げても、過半数を超える大株主たちのこういった持ち株制度を崩さない限り、お互いの利益に乗っ取って交わされた委任状によって、はじめから結果は「株主提案 全否決」に決定してしまうのである。

これを阻止するには、やはり東電をいったん倒産させ、株式価値をゼロにする必要があったし、そうでなければ 巨大利権産業の電力会社を改革するなんてできるはずもない。しかしながら、労組を支持母体に持つ民主党や族議員の多い自民党で これはできない相談だ。こういった団体や企業の各種総会が行われるホテル前には、代議士の黒塗りの車をお迎えする既得権益企業の社員たちの姿をよく目にするが、それが世の中であり、政官民のもたれあいは ここ数十年続いた The日本の日常なのである。「いくら頑張ってもムダ」そう心底感じさせるのが、制度を設定・運営する側の狙いであって、秩序を保つためのコツと考えられているのだ。

真の意味でのサイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)が声をあげれば、世間はひっくり返ってしまう。そうさせないための最良の手段は【大衆を諦めさせておく】ことに尽きる。どこかの誰かを煽ったり、メディアに批判を繰り返させるのも その一環であろう。いくら批判しても結果は同じ・・・それが狙いなのだから。だからこそ、どこからも具体的なものが出てこないのである。ついでに申し上げれば、JALのように一度倒産させても、再上場させれば、あらかじめ株を安い値段で買戻して保持していたところは莫大に儲かる仕組みもある。どこまでいっても「これでもかと諦めは付きまとう」わけだ。最終的に言えることは、大衆の側 各自が裏の裏まで読み通せる知恵を身に着けていくしかないのだろう。「経験を積んで賢くなって、システムの成り行きを活用する」 そんなボヘミアン・ブルジョワジーも世界の経済界には多数いることも確か。しかし、それでは結局のところ 同じ穴のムジナ、片棒を担いでいることに変わりはない。それにしても、昨今は 気骨と哲学があって 具体策をこうじられるような人物がめっきり見当たらなくなってしまった気がする。