野村・日興・大和証券のインサイダー取引

野村ホールディングスをはじめ、大和証券、SMBC日興証券などの証券大手が、公募増資に関わる 公表前の情報を漏えいさせていたことがわかった。もちろん情報漏れもだが、最も問題なのは、このインサイダー手法そのものが、小口の一般投資家に【あえて損をさせる性質を持っている】という点だろう。

1.公表前の増資情報を入手したら、その企業の株式を大量にカラ売りして わざと暴落させる。
2.ほどなくして、株価が下がり切ったら、その銘柄を再度 安値で買い戻す。
3.そして 公募増資が実施され、株価が上がってきたら また売りに出して差額を儲ける。

のが、増資インサイダーの手法だ。この際に迷惑を被るのは、何も知らずに その企業の株を保持していた人たちである。わけもわからず、株価が下がり続ければ 持ち切れずに売ってしまわざるを得ない。ましてや 信用取引で株を購入していれば、差額分を補てんしなければならないのだ。

要するに、簡単に言えば 「小口のどうでもよい顧客には わざと損をさせ、大口の顧客には裏取引で得をさせる。」 これが証券大手の意図なのだ。まさしくアンフェアーの代表みたいなものだが、世の中って そういうもんだろう。しかしながら、無形の金融だけでなく、実体ある 実業も手がけている経済人の目から見れば、このからくりは いずれ破綻せざるを得ないものでしかない。その訳は、少し調べれば 誰にでもわかることだが、老舗証券大手の取引手数料は、新興のネット証券会社のそれと比べると破格に高額だからだ。

ゆえに、なにか他に「特別なお得」がなければ、あえて高い手数料を払う道理なんてどこにもないことになる。つまり、そのプレミアムなものが、前述の「あからさまな大口優遇」だと推測されるわけだ。しかし、こんな小口軽視がどんどん明るみに出てくれば、ますます投資家離れは加速する。結果として、取引高も減少して事業規模は縮小の一途をたどるだろう。仲間内の企業や業界での 馴れ合い・もたれ合いが、これまでの日本経済の骨子であったのは事実。けれど 時代は変わった。外国人投資家は、フェアーでなければ日本市場へ参入してこない。国も金融各社も、Jパワーやブルドックソースのような国際法違反、インサイダー取引の見逃しなど続けていれば、相変わらず 国内市場の冷え込みは避けられないだろう。それはひいては 自分で自分の首を絞めることへつながるに違いない。