欧州問題はモラルハザード&銀行危機

スペイン国債10年物利回りが最高水準を更新した。7%を越えて限界値に達しつつある。再燃する欧州問題に 円も上昇。日本株もさらに下降気味だ。そもそも欧州危機とは何か? それには まず、ギリシャという国の成り立ちから考えねばならない。この国は、私たちが常識とするような観念を共有してる国ではないらしいのだ。元々ロシアに近い考えを持つ移民中心の国だったのだが、冷戦時代に無理やり西側へ加盟させられた経緯がある。その流れで ユーロ設立時にもユーロ経済圏へ組み入れられてしまったのだ。

つまり、最初から ギリシャは文化や思想が一般的な近代経済ルールに則していない。そのために 当然起こってしかるべき モラルハザードが表面化しているだけとも考えられるわけだ。しかし、もっと深刻なのは、このモラルハザードがスペインやイタリアなどへも飛び火して収拾がつかなくなっている点である。これは「あいつがモラルを守らず 優遇されてるのに、何で俺たちだけルールにのっとって苦しいおもいをしなきゃならない」といった感じだろうか。

以前から、スペインやイタリアは アンダーグラウンド経済が盛んと囁かれてきた。領収書なしの経済なら税収がひっ迫するのも当たり前と言えよう。リーマン・ショックと異なるのは、リーマン・ブラザーズが証券会社だったのに対して、今回は 欧州各国の銀行が危機に直面しているところだ。証券会社と銀行では扱っている金額の規模が違う。それだけ 欧州危機は深刻であるとの見解が大勢を占めている。通貨量の調整も含めて 何もしない静観のかまえの政府と日銀。世界経済の波にのまれて、風に任せて行き着く先さえ不透明なまま。世界金融の病の根は いかにも深そうである。