相次ぐ国内家電製造業の経営危機 シャープ・三洋・NEC

シャープが絶体絶命の危機である。複写機やエアコンなどの主要事業に加え、自社ビルの売却まで視野に入れ再建を急いでいるようだ。

昨年まで「液晶のシャープ」と呼ばれ、地デジ特需が終わるまで薄型テレビを売りまくった かつての勝ち組企業は、もはや台湾のホンハイ精密工業が筆頭株主となるくらいでは支えきれなくなってきたらしい。

赤字続きのSONYパナソニックの子会社になった三洋電機・シャープの斜陽。さらにリストラしまくったNECも危ないとくれば、かつてモノづくりの象徴とまで言われた国内の家電メーカーは、いまや総崩れの様相を呈し始めたとも言えよう。

現在、国内産業の中心は、完成品を世に出す「家電メーカー」から、世界有数の「部品メーカー」へとシフトしている。あまり目には見えないが、昨今は円高差益により、金融主体の企業なんかも莫大な収益をたたき出していることが察せられる。しかし、大手家電メーカーに関しては、どんなに時代が変わろうとも、その規模が大きくなりすぎたがゆえに 簡単には業態転換できない事情があったようだ。そういう足かせによるマイナスポイントがここにきて一気に噴き出してきた形かもしれない。

これら企業における最大の問題点は、先行きが見えないところである。もはや国内でかつてのように家電は売れない。よって事業転換するか、もっと海外へ目を向けなければならないが、日本には大手と呼ばれる家電メーカーの数があまりにも多すぎるため、これまでは、各社がこぞって国内シェア争いのみに力を割かれてきた事情があるわけだ。

本来はもっと早くに時代を鑑みて、たとえば SONYパナソニックの2社に統合すべきだったのではなかろうか。そうして力を結集した上で、海外メーカーとの競争にこそ焦点を絞り込むべきだったのでは? ここら辺が今後も日本型産業の斜陽要因としてのしかかってくるだろう。

財閥系列に准じた縦関係による 日本の主要産業体系は、研究開発費の計上などといった資本集中には利点を発揮するが、その反面 どこかで系列産業そのものが業界ごと破綻すれば、すべての産業に連鎖するという負の顔も持ち合わせているのだ。ゆえに この家電メーカーの衰退は、今後の日本経済全体にも大きく影を落とす可能性も出てくる。

昨今は、各財閥系企業を束ねるトップコンサルタントたちの力が、筆者の関わっていた頃と比べて格段に低下してきたのではなかろうか。もちろん 業界全体を取り仕切るなんて 当事者である企業人にはどだい無理な話だし、ましてやサラリーマン社長にそんなこと求められるばすもなく・・くわえてどんな業界でも全体のバランスをみながら統率を取ることが必要なので、誰かが大きな指針を打ち出すべきだし、そうでなければ未来なんて描けるはずもないのは確かである。

つまり「指揮者の力が失墜し、統制が取れなくなる事。それすなわち、世間では将来性がない事」と判断されてしまうわけであって、外交や安保、法整備などを除けば、国を動かすのは政治家でも官僚でも、ましてや一部の財界人や資産家でもないのは明白である。経済分野にもその道のプロがいる。皆が生き残りだけを考えだしたゆえに、リーダーが統率力を失っているなら、それこそが国内経済において最も深刻な問題となりうる気する。