スパコン「京」が本格稼働。X線レーザーSACLAとの併用で期待大

理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「京」が 今日から本格稼働する。まず最初に「京」が持つ毎秒1京回(1京は1兆の1万倍)以上の計算能力に大きな関心を寄せたのは製薬業界だ。一つの新薬の候補となる化合物は数万種類にのぼるため、「京」でその効果をシミュレーションして絞り込めれば、10年以上かかることも多い製品化までの期間短縮が図れる。今後は 製薬業界のみならず、トヨタ自動車竹中工務店など国内25の企業と団体が利用を予定していて、複雑なシミュレーションが必要なエンジン設計や建築などの分野でも先端研究が迅速化することで、国内産業の技術力や競争力の飛躍が期待されている。

これにあわせて理化学研究所は、X線自由電子レーザー施設「SACLA」の運転をすでに開始し、今年6月には同施設のレーザー発振も確認されている。これらスパコンとSACLAの合わせ技は 世界に対して驚異的なアドバンテージを誇示する すごい成果なのだが、不思議なことに国内メディアでは とんと話題に上らない。なにしろ SACLAは「原子や分子の瞬間的な動きの観察を可能にした」のだし、それをなおかつ スーパーコンピュター京で解析するのだから、これは世界では「今後数十年間 ノーベル賞は日本からしか出ないのでは?」と言われてるくらいの驚異的出来事なのだ。

これから「日本のおかげで」世界の新薬開発ほか あらゆる工学技術は飛躍的進化を遂げるかもしれない。このふたつの先端インフラは、日本が新しい産業形態へ生まれ変わるための最大の礎となろう。それにしても 連日 安保問題ばかりを取り上げてる国内メディアは本当にどうかしている。あれこれ気をもんでいるうちに、すでに未来の歩みは始まっているのだ。革新技術のティッピングポイント(沸点)はもう目前である。