113番元素発見の理研が今度は 119、120番に挑戦

加速器を使って113番元素の合成に成功した理化学研究所が、次は119番と120番の合成・発見に挑戦する方針を明らかにした。このどちらも 海外で合成したとの報告がない画期的試みで、もし達成されれば、これは現在の周期表にはない まったく新しい元素の存在の証明を意味する。

ちなみにウィキペディアによると、独立行政法人 理化学研究所は、1917年(大正6年)に創設された物理学、化学、工学、生物学、医科学などの基礎研究から応用研究まで行なう「日本で唯一の自然科学の総合研究所」であり、これまでにも湯川秀樹など 多くの優秀な科学者を輩出した事で知られている。当時の権勢を慮る事象として、この理化学研究所が太平洋戦争終結まで、理研コンツェルンと呼ばれる企業グループまで形成していた事実があげられるだろう。研究と事業を並行して行うことで莫大な資金を集め、開発研究においては「科学者の楽園」とまで呼ばれていた歴史もあったのだ。つまり、ともすれば 経済とは無関係になりがちな補助金研究分野を、経済原理と照らし合わせて実践できる土壌が ここ理化学研究所には昔からあったというわけだ。

そして、現在の成果をあげるまでの最も顕著な出来事としては、特殊法人から 独立行政法人へと移り変わる際に、従来 東大総長派閥が理事長を占めていたお手盛り人事から、実力主義の象徴として、野依良治氏が理事長へ就任したことが最も大きかったのではないかと推測される。工学博士である野依氏は、2001年にノーベル化学賞を受賞しただけでなく、名古屋大学特任教授、ハーバード大学博士研究員。そして高砂香料工業株式会社という民間企業の取締役も経験している。ほかにも 名古屋大学大学院理学研究科研究科長や物質科学国際研究センターセンター長なども歴任していて、、メントールの量産化やBINAP-ルテニウム触媒の発明など、数えきれないほどの業績を残している人物なのだ。要するに、野依氏トップの背景には、補助金目当てではない 成果こそがすべてといった強い意思が感じられるのである。

こういったニュースを見るにつけ、まさに 日本の知能とインフラ・アドバンテージを融合させた 世界に対する反撃が始まったようにも思えてうれしくなってしまう。ぜひノーベル賞を総なめ なんて ちゃちなところを目指さず、あのアップルさえもぶっちぎってしまうような、技術革新の方向性を示してほしいと思う。そして、世界のエネルギー事情やあらゆるインフラを根底から変えて、新しい時代の礎までも日本から築いてもらいたいとも期待するばかりだ。

そう言うと、オーバーに聞こえるかもしれないが、じつはそうでもないのである。日本の・・・とくに理化学研究所は、世界で唯一、分子や原子レベルで物質の動向がつぶさに可視化できる施設(SACLA)や 量子コンピューターに一番近いスーパーコンピューター(京)を有している。これらは今、世界中が のどから手が出るほどほしい技術であり、その両方を同時に持っているなんて まさに奇跡。その用途と可能性は無限大で、これがどれほどすごいことなのかと夢を見ているようでもある。

筆者の大好物は、音楽と最先端科学技術。だから知人にも「SACLAを見せて」と頼んでいる。人はHOPEで生きている。もっと平素にいえば、スカッとしたいのだ。それは どうでもよいゴタゴタを一気に解決してくれる出来事でもある。ストレスは人間の糧となる。しかし、それは同時に 問題を解決し続けてこその糧であろう。ゆえに、つねに新しい目的を作り続け、厄介事とはあいまみえないほどのレベルで事を成し得ていくことが重要なのだ。もはや スマホも家電もPCもどうでもよいくらいの勢いで、誰も見たことのない ぶっちぎりのデファクトスタンダードを目指そう。せせこましいことは もうたくさんだ。この理化学研究所の意気込みは そう宣言しているようにも思える。