役者が揃って日本が面白くなってきた

ソフトバンクが 米携帯電話3位の「スプリント・ネクステル」の発行済み株式70%を取得し、子会社化すると発表した。これによりソフトバンクは、国内首位のNTTドコモ(約6100万件)をはるかに上回り、加入契約数が日米で約9000万件となり、国内一位どころか 中国のチャイナモバイル、米国のベライゾン・ワイヤレスに次ぐ世界第3位の企業へと一気に浮上したことになる。買収資金の大半をメガバンクからの借り入れで賄うため、市場では財務体質の悪化懸念が心配され、15日の東京株式市場ではソフトバンクの株価が一時急落する事態を招いたが、孫社長はこの点について「日本企業で最大規模の投資になるが、成功の自信はある」と語っている。

政官財の役者が揃ってきて、かぜん日本が面白くなってきた。政治は日本維新の会の橋下氏、官は京都大学の山中氏、財は孫正義氏だ。橋下大阪市長は 次期衆議院選挙で「政界再編の旗手を務め」旋風を巻き起こしてくれるだろうし、iPS技術が本格運用されれば、京都大学および山中氏は世界を席巻する力を得るに違いない。そして、今回の世界企業ソフトバンクの誕生である。

彼らの共通点は「これまでの日本の規制や枠にはまらない」ということであろう。つまり、スケールが大きすぎて、従来のやり方では 彼らを管理できないのだ。どんなに新聞や週刊誌が叩こうと へこまない政治家、将来 世界屈指の利権を手にする大学、世界一になると公言してやまない新興企業。これらの登場は新しい日本の形を予見させるに十分だ。かねてから考えていたのだが、この規制だらけでがんじがらめの日本において、閉塞感を打破する方法はふたつしかない。ひとつは 海外(とくに米国)で力を持ち、その影響力で日本の首根っこを押さえてから国内変革を目指す 【逆輸入型の改革】 もうひとつは、本来の目的をふせて したたかに水面下で囲い込む 【戦術型の改革】だ。いずれも実行するには、並外れた知力と話術、そして 桁外れの意志や忍耐、実行力が必要となる。つまり 本当の意味での【人物】が出てこなければならないわけだ。

要するに 自浄作用がない日本を変えるには、海外から圧力をかけるか? 内側から食い破るか? しかないのである。その点で 国内の政治・行政が平身低頭の米国を活用して、米国側から日本の規制緩和を迫る手法は正解だし、世界的知財を手にするのも官のあり方を根底から変える力になろう。あとは その受け皿となる 日本側の政治や行政が どれだけ成熟できるかどうかだが、グーグルやアップル・マイクロソフトが 革新技術で産業構造を変えるなら、日本は知財と流通で それについてゆかなければならない。欧州危機とチャイナリスクが高まる昨今、やはり相変わらず 日米の存在は 今後も世界経済に大きな影響を及ぼしていく。