職業訓練講座 4分の1が中止に

これまでに多くの職業訓練校を作ってきた。最近またひとつ新しいものが運営に入ったので、指導を頼まれていたりもする。だから このような的外れの記事は他人ごとではない。

『昨年10月に国が始めた 失業者が無料で職業訓練を受けられ、生活費などの手当も支給される「求職者支援制度」で、計画された職業訓練9324講座のうち、4分の1以上の講座が今年7月末までに中止になった。この制度は、一定要件を満たせば生活費などとして月10万円の手当が支給されるといったものだが、民主党が09年衆院選マニフェストに掲げ、生活保護に至る前に生活を立て直すきっかけを与える 第2のセーフティーネットと期待されてもいた。しかし「受講申込者が定員の半数に満たない場合には、実施側が訓練を中止できる」と定められているため、受講生が少人数だと、講師の人件費や会場代などのコストが収益を上回ることになるので、募集後に中止するケースが相次いでしまったわけだ。制度を巡っては、専門家らからPR不足の他、地域の求人情報に合った講座が少なかったり、開講種目が地域によって偏ったりしているとの指摘が出ているが、利用者からは「制度上、講座を一度でも欠席すると受講手当が受け取れない。受講時期はスケジュールを空けていたのに、実施側の都合で中止されると生活設計が立てられない」との不満も出ている。厚労省は「中止の件数が若干多いとの認識はあるが、こちらからは『受講者が少なくても中止するな』とは言えない」と話している。北九州では 求職者支援制度の訓練中止を巡って訴訟に発展した例もある。』(毎日新聞の記事より抜粋)

この記事によると、なんだか講座の運営側にこそ問題があるように書かれているが、じつはそうではない。受講者を募集するのはあくまで役所側なのだ。つまり、生徒が来ないのは役所の責任であって【PR他の事務手続き・ニーズにあった講座開催のための指導・講座内容の偏り是正】なども、本来はすべて役所が調整するべきもののはず。行政関係の事業を行う場合には、いつもすべからく全部の情報を握ってるのは役所なのだから、情報のない主催者側に【PRの仕方・講座内容の精査をきちんとしろ!】なんてのはいいがかりに近い話にしかならないはすである。

しかるに、こういった問題の根は単純である。行政が何もかも抱えすぎなのだ。要するに「管轄範囲を広げすぎて、できもしない仕事量と情報を持ったまま頓挫し続けている」そして「手が回らないから 自分たちの責任ではない」とするような 大いなる矛盾も抱え込んでいるわけである。

地方分権道州制導入の根拠も ここら辺にあるのだが、個人情報保護法やその他規制で実態は逆行の一途をたどっている。高齢化や少子化、長引く不景気を打開するには 就労人口を増加させるしかない。そのためには 働く女性を増やして女性の未就労率世界一の汚名を返上し、高齢者の再就職をうながしていかなければならないが、その壁となるのは役所が管轄するあらゆる規制にこそある。そして、これはそのまま、利権を抱えすぎてつねにオーバーワークになっている役所体質を助長した結果としてもたらされてるものなのだ。せっかく民間企業が職業訓練や就労支援に参画しても、これらを根底から是正していかないかぎり また立ち消えになるのは目に見えてるのではなかろうか。