日銀の追加金融緩和 デフレ脱却へ正念場

日銀がまた追加の金融緩和を決めた。お題目は「デフレ脱却」である。たいていのメディアは以下のように書きたてている。

日本経済にとってデフレからの脱却は目下の最重要課題の一つだ。2カ月連続という異例の緩和処置の決定は、日銀の決意を示すものとしては評価できるだろう。とはいえマーケットは織り込み済みだったようで、この発表がなされた日の東京市場はむしろ株安に振れ、円相場も小幅な動きにとどまった。手を打てば打つほど効果が薄れてくるのも世の常である。デフレ解消も景気回復も、金融面の対策だけでは限界が出てくる。市場に出回るお金が増えれば企業の設備投資などに需要が膨らみ、ひいては供給とのバランスで物価は上がるとされてるが今回の緩和策も、そのシナリオに沿ったものだ。10兆円の上積みを決めた9月に続き、さらに11兆円を積み増し、これで日銀の基金は計91兆円へ膨らむことになる。さらに日銀は各金融機関が企業への貸し出しを増やす場合には、その全額を金融機関に低利で融通するとも決めた。しかも総額に上限は設けない。ただし一朝一夕で展望は開けまい。正念場だからこそ早急に、政府や日銀は「次の一手」を示してもらいたい。

ここで面白いのは、メディアがまったく逆の的外れをあえて論じている点だ。少し金融が理解できる人なら「あぁ また大企業優遇ね。本業がふるわないから為替で穴埋めしなきゃ仕方ないけどね。」といった感想をもらすに違いない。米国の現状を考慮すれば円高もわかるが、これは国内企業にとっても大きなメリットになりうるのだ。そこで生じる利点はなにも世間で言われる「今のうちに海外企業の買収を」といった単純なものだけではない。国際企業にとっては、為替の差が大きければ大きいほど本業より儲かる構図があるわけだ。ゆえに国内企業の業績が芳しくない間はデフレの克服もされないだろう。むしろ政府・日銀・各企業としては、もう少し円高のままを望んでいるのではなかろうか。

よしんばこれでたとえ円安に振れたとしても、その後には再度円高になると予測する。なぜなら、上下を繰り返していれば、もっと儲かるからくりがあるからだ。いずれにしろ、国内企業が どれだけ為替差益で損失補てんをしたいか? そして、政府や日銀がそれに押し切られる形で企業側の要求をどの程度飲むか? ここ次第であろう。もし それらと関係ない要因で円安になるとしたら、米国の国内事情が変わったり、景気が回復傾向となるか? それとも 全体の戦略が変更されるか? しかないと思われる。日本はソフトな社会主義を昔から行っている国だ。しかも ちょっと特異な体系で・・・でも こんなのをいつまでも続けてると そのうち世界からおしかりを受けるだろうし、企業も本来の仕事をやらなくなってしまうような気がする。いずれにしろ、自立支援以外は 国にしても個人や企業にとっても弊害にしかならない。そういったことは「世界に向けて日本が金融市場開放した時点で国内企業の低迷が始まった」ところからもつぶさにみて取れる。日本企業が不毛な【濡れ手に粟】に溺れることなく、本当に成熟し、イノベーションを生み出すこと自体に面白みを感じられるかどうかが今後のカギとなろう。