若者の離職率上昇 3年以内に半数も

若者の離職率が上昇している。厚生労働省によると 「若者が入社してから3年以内に退職する確率」は 全体の約29%におよび、業種別では、教育や学習支援・宿泊・飲食サービスで半数近く、医療・福祉も離職率が4割という結果になった。いずれも、長時間労働や賃金の低さが要因とみられているが、その反面、電気・ガス・水道や製造では、離職率が平均を大きく下回っている。

筆者は 子供の頃からのアルバイトやサラリーマン、コンサルタントといった経験から あらゆる職業をやったことがある。だから、上記の過酷な労働条件や低賃金が原因といった分析には違和感を感じる次第だ。的外れの解釈をして、それに従った対応をしたところで成果はあがらないだろう。要するに 労働条件や賃金の改正を国が強制的に行っても結果はさほど変わらないということである。では、本当のところはどこにあるのか? 技術や製造などの分野では「先に入った者がある程度のアドバンテージを与えられる」が、サービス業にはそれがないのが大きいのではなかろうか。

サービス業とは「機械や物ではなく人間と接する業界」であり、先輩だろうが後輩であろうが、つねに切磋琢磨が強いられる実力の世界である。よって お客様から支持されたり、他より成績を上げり、独立できるだけの力を身につけた者が重用される。つまり必然的に それらの競争原理についていけないと将来に不安を感じる確率も高くなり、離職率も高くなるという具合だ。

人間はパターンでは満足しない。つねに新しいもの、特別なもの、他とは違うものを求める。だから経験だけで アドバンテージは得られない。大切なのは 斬新なアイデアやセンス、実行力、表現力である。それらを磨くんだ!といった明確な目的がなければ、務まらないのがサービス業なのかもしれない。何を目指し、どんな人物になりたいのか?そこら辺の欠如が若者の無気力さを助長させてるような気がしてならない。けしてほしいものがないわけでも、物があふれて ある程度満ち足りているからでもないだろう。ただ彼らは、自らが変わっていく面白みを知らないだけなのだ。どれだけ社会が成熟しようと、自分自身が変わっていく楽しさは物では味わえない。それはまさしく自らの手で自身に与えるしかないものである。