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米国有名大学の講座が無料 MOOCが世界の教育を席巻する 

米国の名門大学が『インターネットを通じた無料のオンライン講座』を次々開講している。名称は MOOC(ムーク) Massive Open Online Courses(大規模公開オンライン講座)の略だ。筆者も以前から「なぜ 無料のインターネット講座を実施しないのだろう?リアル大学の経営より ずっと儲かるはずなのに」と思っていたのだが・・・さすがはスタンフォード大学。きっちり始めていて、教育のデファクト・スタンダードを確立しつつあるようだ。

スタンフォード大学の教授たちが中心になって始めた インターネット講座Coursera(コーセラ)と、Udacity(ユーダシティー)は、すでに200以上の講座を開講済みで、受講者は 世界200ヶ国の400万人以上とすさまじく、その年齢も10代から70代までと幅広い。他にも、ハーバードとマサチューセッツ(MIT)が運営する Edx(イーディクス)や、ジョージタウン大・カリフォルニア大バークレー校なども相次いでIT講座を開講している。

講座では、毎週宿題が出されるほか、中間試験と期末試験を実施するなど、リアルな大学とほぼ同じ運営方式を採用しているが、これらをパスできれば、修了証書が出される仕組み。現在、この修了証書はあくまでオンライン講座の単位認定証なのだが、すでに米国では これを正式な大学の単位として認めているところも出てきた。

では何故、有名大学がこぞって講座をタダで公開してるのか?といえば、その仕組みはいたって簡単。この修了証書・・・現在は無料だが、将来的には少額の課金をする計画なのだ。つまり受講者がある程度の数に達すれば、大学側にとって、それはそれは莫大な収入源になるというわけ。これってインターネット企業がどこでも行ってる『課金システム』を、少し変形して教育に応用しただけの・・・気づいたら「誰もがやって当然。やらなきゃ損。」の単純なビジネスモデルなのである。

そんな思惑がはっきりしてくれば、少子化に悩む日本の大学が乗り出さない手はないはすで・・・このたび、東大と京大が相次いで参加を表明したらしい。ちょっと下世話な気もするが、経緯はともあれ 日本にこういった流れが出てくるのは大歓迎である。

しかるに、このシステムは 世界中にいる隠れた優秀な人物にチャンスを与えるが、実際、米大手企業も ここから人材の青田買いを始めた模様だ。学生たちは、講義画像や教材が無料で手に出来るし、他の受講者と討論したり、教授や先輩たちに質問もできるが、こういった「双方向の講座」を受けられるメリットは 彼らの将来にとって計り知れない恩恵をもたらすだろう。そしてなおかつ大学側にとっても 将来 莫大な収益確保のビジネスチャンスがあるとくれば、もはやこの潮流は止められないように思われる。

ただ、ここで困ってしまうのが、世界中にある既存のリアル大学で、知名度や実績のないところはみな 抵抗勢力になりそうだが・・・すでに米国では反対する大学が目白押しらしい。しかし、こういう収益性あるシステムが一度実行されれば、いくら反対しても もう遅い。今後は本格的に大学の淘汰が加速していくことだろう。

IT時代の新しい教育のあるべき姿が とうとう始まった。スタンフォード大 Courseraのキャッチフレーズ Take the World's Best Courses, Online, For Free.『世界最良の講座をオンラインで無料で受けよう』が、世界中の学生たちにとって 教育スタンダードになる日も近い。