阪急阪神ホテルズとリッツカールトン大阪の食品表示問題

食材表示をめぐる問題が、新たな広がりをみせている。阪急阪神ホテルズ系列のレストランで、メニューと異なる食材が使われていたのは、一部を挙げただけでも『霧島ポークは産地偽装・鮮魚は冷凍保存品・九条ネギは普通の白ネギ・キャビアはトビウオの卵を使用・手ごねハンバーグは出来合い品』などと多岐にわたるが、このたび阪神ホテルシステムズが、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーへ運営委託している「ザ・リッツ・カールトン大阪」でも、記載と異なる食材が使われていた事実が発覚した。フレッシュジュースとうたわれていたものは、じつはパック詰めのジュースだったのだ。

食品の流通システムやホテル・レストランのコンサルティングは ずいぶん手掛けてきたので詳細への言及は避けるが・・・こういった事象はおそらく、ここだけにかぎらないのではなかろうか。マーケティングとコストにおける兼ね合いを現実的にふまえれば、誰にでも想像がつきそうなものだが、これはむしろ昨今の世情問題なわけで・・・それは銀座に量販店が相次いで進出してきたのと同様の背景に感じられる。

日本の食文化は、製造側と消費者双方の「守り育てるという観念」があって、はじめて成立していたものである。よって、ここがなければ信用など成り立ちはしない。なぜなら、消費者の要望へ、ただ一方的に答えるだけの信用など実際には不可能だからだ。したがって、作り手側のモラルのみを論じていても、埒があかないのは明らかであろう。

しかるに「安価で良いもの」には限界がある。そこを越えてしまったら、もはや文化は崩壊するしかない。行き過ぎた金融における 証券・不動産などを中心とした経済は、レストランやホテルのみならず、日本企業そのものを別人格に変えつつある。日本文化と相反するグローバル経済ウィルスの蔓延は、今後ますます 法人病の源になるような気がしてならないのだが。