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終わったコンテンツ 既得と規制の関係

国内書店と電子書籍企業が「ジャパゾン」という新たなマーケットを立ち上げたらしい。趣旨は『一人勝ちを続けるアマゾンへの対抗策』 仕組みは『紀伊国屋・三省堂などのリアル店頭で電子書籍の作品カードを販売する』というものだ。それにしても、いったい誰がネットで簡単にすむものを、わざわざ書店へ出向いてカードを購入した後、再度ダウンロードするなんて二度手間をするのだろうか。おそらく「何かのついでに・・・もしくはたまたま」くらいの小さな市場となるに違いない。

出版業界のみならずテレビや新聞・郵政などが、ITの登場で終わったコンテンツになってしまった原因は 何も時代のせいばかりとはかぎらない。本来は絶対的なアドバンテージであるはずの既得権益そのものが、事ここに至っては むしろ足枷になってる現状が見て取れるからだ。つまり何かしらの権益があれば、当然そこには規制もある。よって権益を手放さないかぎり、規制からも逃れられないことになるのだ。

したがって、既得も規制もない 新しいものが出てきたら、既得権益産業には規制がある分だけ勝ち目がなくなってしまうというわけである。だからこそ業界大手は、そういった企業が本格的成長をみせる前・・・つまり目のうちに、あの手この手でつぶしにかかるのだが、それでもすり抜けて、自分たちより大きくなってしまった場合には、上記の理由で、もはやどうしようもなくなってしまうという構図がある。たいてい法改正には莫大な時間がかかる。その間に相手はどんどん大きくなり、逆にこちらはシェアを奪われて萎むばかり。そのうち、市場そのものを奪われてしまう結果を招いてしまう。

この辺の解決には、政治や行政の円滑化とスピディーさが求められてくるが、現在の体制にそれを望むだけ無駄である。はてさて今後、出版メディア業界はどうするのか。「規制やしがらみがない多くの別事業会社を立ち上げて、既存の企業規模を吸収できるまでに成長させたうえで、スムーズな業態移行を実行に移す」なんて離れ業をえんじねばならないが、これって大変なこと。いずれにしろ、皆がほしかる既得権益には足かせや弊害も多いもの・・・蜜もあれば毒もあるのだ。ビジネスには、既得を得る方策もあれば、あえて手放す戦略もあり、むしろその両方をうまく使いこなす必要があるのではなかろうか。