米国のシェールガス採掘が世界へ与える影響

先頃 紛争続く西アフリカのマリに、フランスが軍事支援する方針を固めた。国と国どおしのあり方は 全体のバランスによって成り立つ。したがって、世界のどこかが変われば、他の国や地域の情勢も微妙に変化してくるわけだ。米国でシェールガスが大量に採掘されるようになったが、この事態は世界中に大きなうねりを生み出しそうである。世界の警察と呼ばれる米国がエネルギーを自前で用意して 国内利益の完結が可能になると、他の国の紛争に対して無関心になるのは必定。げんに近年のイスラエル情勢しかり、長引くシリアの内紛なんかも これと無関係とは言えない気がする。くわえて 米国は続々と中国から資金や生産拠点を引き上げ始めた。

内向きになった米国が、今後 世界へもたらす影響はいかなるものであろうか?  もちろん 安倍政権の打ち出した経済政策 アベノミクスにも、これらの影響は当然出てくるだろうが、経済を紐解くうえでは、地球儀を眺めながら、それぞれの力のかかり具合・・・力学を読み取ることも必要である。いったい世界では いま何が起こっているのか? つねに興味を持って、その複雑な力が将来生み出す 新たな模様の行く末を思い描かねばならないのだ。こういったグランドデザインによって、各プランも初めて決まってくるわけだが、そういった意味で、やはりグローバル社会においては プラン構築力よりデザイン能力のほうが強く求められてくるはずである。

細菌の一種『粘菌』の世界では「裏切り者だけが栄える」らしい。粘菌に生じた異形種たちは、通常の種に対して あえて命をささげるように仕向け、胞子になるのを防ぎながら生き残っていくそうだが・・・この現象は まさに人間社会のようでもある。しかしながら、そういった原始的な手法に甘んじるのは智恵がないからに違いない。政治が枝葉のプランから世界全体のデザインへ目を向けねばならないように、ビジネスも井の中の狭いかけひきから力学へ。つまり 人文や社会学から自然科学への転換時期に差し掛かってるのだろう。それはあたかも、人間社会が たんなる生存本能や細菌のごとき生き方から脱皮して、もっと高度な共生社会へ旅立つためのキーワードでもあるような気がしてならない。