Facebook シェリル・サンドバーグ氏と日銀総裁人事

Facebook取締役 シェリル・サンドバーグ氏は、ハーバード大学を主席で卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールに入学してMBAを取得。世界銀行を経て、経営コンサルタント大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。クリントン大統領時代の国務長官 ラリー・サマーズの首席補佐官も担当している。ほどなくGoogleへ入社した彼女は、グローバル・オンラインセールス&オペレーション部門の副社長となり、Googleを成功へ導く原動力となる。ダボス世界経済フォーラムで、Facebookマーク・ザッカーバーグ氏に請われ、ワシントン・ポスト社の幹部待遇を蹴って、FacebookのCOO(最高執行責任者)に就任。当時の報酬はCEOのマーク・ザッカーバーグ氏よりも多い3000万ドルとされ、さらにその後 取締役となった際にストックオプションで手にした株も時価数億ドルにのぼると話題になった。

特筆すべきは、彼女が 米・フォーブス誌で「世界で最もパワフルな女性」の上位に選出され、米・TIME誌で「世界で最も影響力ある100人」としても選ばれながら、ワーキングマザーの代表でもあるという点だ。2人の子供を育てるため、毎日 午後5時すぎには退社して家族と食事をとり、子供たちが眠った後、残務をこなすスーパーウーマンでもあるともてはやされた。さらに ビジネス一辺倒ではなく、世界銀行での知見を活かして、多くの慈善事業や新興国向けの健康増進プロジェクトなども推進してきている。ちなみに、IPOしたとはいえ、Facebookは まだ新興企業として不安定な面も多々あり、今後の行く末を左右するのは、ザッカーバーグ氏ではなく、ナンバー2である彼女と言われてもいる。

彼女の経歴は、世界銀行や首席補佐官という「官」もしくはそれに近い立場と、マッキンゼー・GoogleFacebookといった「民」を頻繁に行き来している。しかもまだ40代前半の若さで このキャリアだ。果たして 日本にそんな人物がいるだろうか? しかも女性で・・・そこがまさしく米国の強みかもしれない。昨今、国内では日銀総裁の後任人事が話題だが、今のところ候補に挙がってるのは どこかの教授か元官僚ばかりで、みんなの党江田憲司幹事長には「みなさん複式簿記もやったことない人物だ」と揶揄される始末である。

どんなに小さな商店だろうと 青色申告してるなら複式簿記ぐらい知ってるものだが、政府関係の機関では それが皆無なんて、そんないい加減な行いが許されてるのは、先進国において日本だけではなかろうか。つまり、これは国が財務を一切きちんとやってない! 全部どんぶり勘定だ!と世界に公言してるようなものなのだ。この点は 維新の会の石原氏や橋下氏も以前から指摘していて、東京や大阪の財政を立て直せたのは、複式簿記採用の効果が大きかったとしている。政府の財政赤字や世間の景気を鼓舞するのに、じつは難しいことはいらない。ただ当たり前のことをきちんとすれば良いだけなのだが、それらは「まともな人材が官と民を行き来できない土壌」が作り出してるのではないだろうか。竹中平蔵氏も以前、そのようなことを嘆いていた記憶があるが、優秀な人材は 経験から創出されるケースが多いもの。これは経営でも政治・行政でも同様であろう。日本には戦略で解決される事象より、構造改革によって解決されるべき事のほうがむしろ山積みのように思われる。