アルジェリア人質事件  生存者の緊迫証言 

アルジェリア人質事件に巻き込まれた日本人の証言から、襲撃時の生々しい様子が伝わってきた。サイレンが鳴り響き、マレーシア人の同僚が「ステイ・ルーム」と叫ぶのを耳にした直後に 銃声が聞こえたので息を潜めて自室にとどまった。近くの部屋では「オープン・ザ・ドア」という声とともに銃声もしていたが、まもなく上空を飛来するヘリコプターの音がして「軍隊が助けに来た」と思ったが、それでも銃声が鳴り止むことはなかった。そのまま一夜を明かし、ふと自室の小窓から外をのぞくと、顔見知りのアルジェリア人スタッフの姿が見えたので助けを求め・・・頭にターバン、顔にはネックウオーマーを巻き、現地スタッフに取り囲まれるようにして身を隠しながら宿舎の外へ出たそうである。

まさに危機一髪。そんな様子がつぶさに窺い知れる。外国人、とくに日本人が狙い撃ちされていたのは「襲撃してきた人物は日本人を出せと言っていた」との多くの証言からもわかる。隣国のマリから追いやられたテロリストたちが リビアでばら撒かれた武器の数々を手に・・・その背景は何となく理解できる。しかし、それでもテロリストが活動するには資金が必要だ。事前に情報を得ていたとの報道もある。今後は どこからどのようにして彼らに情報や資金が渡ったか? そして、その命令を下した人物の真の目的とは? この解明が急がれるだろう。つまり、彼らに資金と情報を提供した「現場に直接関与していない第三者」の目的や真意を理解して、そこを根絶しなれば、これからも同様の事が発生する可能性があるというだ。

たんなるテロ、複雑な原油利権、それともプラント建設のイニシアティブ争い・・・いずれにしても、冷戦下では 旧ソ連と米国の代理戦争が横行していたと聞くが、きっと今も それらは国を変え、形を変えて継続されているのだろう。ここに日本人が狙われた理由もあるような気がしてならない。それにしても よく生きて帰ってこられたと思う。かばったことが知れれば 自らの生命も危ういのに、身を挺してまわりを取り囲んでまで 救いの手を差し伸べたアルジェリア人スタッフの勇気に対し、日本政府は感謝と敬意を表すべきではなかろうか。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りする。