高度経済成長の正体

筆者が子供の頃のドル円為替は、1ドル=360円の固定相場制だった。これは、いま米国で販売されてる日本製品が300ドルだとしたら、当時は100ドル以下で売られていたことを示す。くわえて預金金利は年率3%〜5%なんて当たり前。貨幣価値は下がり続け、逆に土地の値段は数年で何倍にも跳ね上がる時代。

つまり、今の60代以上の方は「日本製は海外で飛ぶように売れる=史上空前の右肩上がり好景気=給料は増え続ける」の構図で、預金は勝手に膨らみ、以前組んでた住宅ローンはタダ同然となり、購入した土地やマンションの価値は何倍にも・・・そんな真っただ中にいたわけである。

固定相場制が維持されて、給与・金利・資産価格は急上昇。これは現在の中国と酷似している。唯一の違いといえば【中国では土地が自分名義にならない】くらいであろう。つまり当時の日本は、世界状況に鑑みて 『他の多くの先進国が日本を発展させるため、計画的に行った世界戦略の一環』に組み込まれる形で【あえて】経済成長させてもらっていたのだが・・・ならば 世間で言われてる「今こそもう一度 日本型経済の復興を」「若者にやる気を! 以前はもっと働いていた」なんて見解はまったく的外れと言えるのではなかろうか。

しかるに、昭和の高度成長期は、努力による功績よりも、あらゆる点で恵まれすぎていた事によるほうが大きい。よって、その恩恵をこうむれなくなったことが、経済低迷の第一要因と理解すべきだろう。しかし、これは何も日本や中国だけの話ではない。英国だってフランスだって、アメリカにだって そういう時期はあったはずだ。つまり現在先進国と呼ばれる国には、もれなく どこにもそういった時代があり、いま急成長してる国に至っては、そのまっ最中というのが正しい見方に思われる。

大切なのは、自助努力によって独り立ちすべき「これから」であろう。その答えは、けして過去に受けた恩恵を懐かしむのではなく、むしろ都合の悪い事実も受け止めた上で、真に成熟した国のあり方とは? そこにふさわしいシステムとは? を模索し続けていくことで見えてくるのではなかろうか。

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