三越劇場 舞台「名探偵ポワロ〜ブラックコーヒー〜」と中原淳一展覧会

名探偵ポワロ〜ブラックコーヒー〜」という舞台を観てきた。やはりプロの役者さんたちが演じる舞台は なかなかのもので【まるで2時間もののサスペンスドラマを 生で見てるような迫力】だったが、個人的には、建築や歴史に興味がある筆者は、会場である三越劇場の重厚で赴きある作りのほうにより惹かれてしまった。

三越劇場は昭和2年に『世界初の百貨店の中にある劇場』として日本橋三越本店6階にオープンしたもので「大理石と石膏彫刻の美しい文様に彩られた壁、ステンドグラスをはめ込んだ天井、額縁のついた舞台」など、どこを見回しても素晴らしい造形美に彩られた空間になっていた。客席は 1・2階の計514席で・・・演者の声の聞き取りに関しても、ベストな反響になるよう計算されつくされていたように思う。当時の空間設計にはきっと『収益を上げるために客をとにかく詰め込めばいい』といった現在の商業主義とは異なる【本当に楽しむとは? 真の贅沢とは?】というのを、とことん追求する姿勢があったのではなかろうか。

また 同時に、敗戦のショックに打ちのめされていた 当時の少女たちへ夢を与え、お洒落に装うことの素晴らしさや 凛とした生き方を説いて支持されたデザイナー 中原淳一氏の「生誕100年記念展覧会」ものぞいてきたが、随所に以下の写真のような展示もされていて楽しめた。「銀座も昔と違って面白くない」といった事をよく耳にするが、そんな声もよく理解できる気がした。今回の2つのイベントをみて、昭和には、今のような画一化されたマーケットとは一線を画す どこかしら哲学の香りが感じられたからだ。