3Dプリンターが切り開く未来

NHK総合のクローズアップ現代で 『3Dプリンターの特集』 が放映されていた。開発の進み具合については予想通りだが・・・その普及速度は数年先が怖くなるくらいのすさまじい勢いであった。このぶんで行くと【各家庭に一台は3Dプリンター】なんて時代もすぐそこだろう。日本ではあまり話題にもなっていないが、米国では オバマ大統領をして「3Dプリンターは 米国ものづくり産業復活の切り札」と言わしめるほどの市場に成長している。

たとえば、すでに3Dプリンター製の・・・自動車や楽器、洋服、人工臓器といったものが 『実際 販売されている』 わけで、具体的にいえば、米国著名ミュージシャン レディーカガのステージ衣装、わずか数人で制作した試乗可能な電気自動車、さまざまな電化製品の試作、オートバイの特注オリジナルパーツほか、細かい細胞ひとつひとつを積み重ねて作られた 骨や血管・臓器なんてのもある。 

その性能たるや もはや『削る』 だけでなく 『粉状のものにレーザーを当てて固める』 ところまできていて、おそらくどんな複雑な代物でも作成可能となってるが、価格についても ちょっと前までは数千万円だったものが、この短期間で一台数万円と一気にこなれてきたのである。もう こうなってくると「米国では 3Dプリンターを使って、自らデザインした 世界にたった一つのアクセサリーを彼女へプレゼントする若者まで現れた」なんてニュースも当たり前のように思えてくる。

すでに米国議会は 全米で1,000をこえる学校に対して3Dプリンターの導入を決めているが、この辺の取り組みについては いかにも早いと感じざるを得ない。新しい画期的なものが出てきた時の この国の出足の速さと言ったら世界一で、いつもながら じつに選択と集中が的を得てるような気がする。経済活動においても、米国マーケティング業界やアナリストたちからは 「もうしばらくすれば、自分の足の形を詳細にデータへ取り込んで、まさにぴったりサイズのオリジナルシューズが自宅で作れるようになる」との予測が出たり 「これからの ものづくり産業は、大きな工場による大量生産から 個人レベルで手掛ける【多品種少量】生産の時代へ移行していく」との見解が述べられていたりする。

いつの時代も、未来は・・・それまでの人の思いや想像とは無関係にやってくるものだ。よって もし人が、いま目に見える現実から推測される 確実な未来に対して目を背け続ければ、事実誤認という結果を生じさせるだけであろう。もちろん これがのちに、後塵を拝するスタンスを作り出してしまうのは言うまでもない。不確かな点を先んじてつないでゆくのは難しいが、容易に想像できる未来へ向かって いち早く手を打つことならできるはずだ。ましてや それが他の国ですでに起こっている事象ならば、足踏みしている理由など皆無に思われるが・・・いずれにしろ、3Dプリンターが切り開く未来は、確実に日本にもやってくることになる。