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日経乱高下にみる世界経済

日経平均株価が乱高下している。昨日は300円上がったのに、今朝は200円も下がっていたが、ここのところ いかにも振れ幅が大きすぎるように感じる。アベノミクスやキプロス問題など、その理由づけには事欠かないが、じつはあまり そんなの関係ないだろう。もちろん 金融関係者は上げ下げが頻繁に起こったほうが儲かるので、お題目は多ければ多いほどよい。しかし それらはあくまで名目であって目的ではないと思うからだ。

つまり、国内株式市場の7割以上は海外投資家で占められているから、当然 日経平均の上下も彼らの動向によって決まってくるのだが、彼らの狙いが儲けというのは名目であって、その真の目的は生き残りということである。要するに、あくまで名目づくりは生き残りのためだから、それらが頻繁にあり、なおかつ相場の振れ幅も大きいとなると・・・海外投資家たちは現在、生き残りをかけて そうせざるを得ない状況下にあるとの判断ができるといった具合だ。これは株価だけでなく為替の変動も大きいところから窺い知るに、FX関係者たちも同様に苦しいことが容易に推測される。

筆者は バブル崩壊時に大手ばかりをコンサルティングしていたから、オーナー経営者のところに銀行のお偉いさん方が訪ねてきて「何とか自己資金向上のために」なんて陳情風景をよく目にしたものだ。また、リーマンショックの際は、サブプライムという名目で「いつどのような方法で回らなくなった市場をいったん飛ばすのか」に注目してたが、外資の大手不動産業者の「しばらく取引は控えたい」とのコメントで「そろそろかなぁ」と予測したりしてた経緯がある。

日本の銀行のように、いよいよ回らなくなれば いつでも国の資金で補てんしてくれるようなところなら、生き残りは目的ではなくなるが外資はそうではない。もっと巧妙でグローバルな手法を取る。リーマンショック前後のゴールドマンやJPモルガンのように、債務が回復できないほどに拡大すれば、一度あえて市場を崩壊させて、株価を暴落させ、それが底をついた時点で国から借り入れた莫大な資金を投下するなんて方策もありなのだ。その後 もちろん株価は回復するから大手金融は大儲けとなり、たまっていた債務を一掃できるのも確実。じつに こんな大胆な絵をかく可能性もいつだってありなのである。実際に、上記二社は 国から借りた資金を数年後にあっさりと完済して 史上空前の収益をあげた事実があり、これって まさに筋書き通りだなぁと妙に納得した記憶がある。

いずれにしても、じっくり上げたり下げたりしたほうが、市場に出回る証券品目も取引高も多くなるから、そちらのほうが得なのに、せわしなく為替と株価を動かさざるを得ないようではまだまだ先が思いやられる・・・というより、実際まだ 世界金融はそれほど余力がないのかもしれない。ひょっとしたら、他の理由として、いがいに早く産業構造が大きく変わるのに備えての前兆とも受け取ることもできるが。もはや20世紀末で 限界を迎えていた現行経済システムだから、否が応でも このあたりで変わらねばならないのはたしかだろうし、いつだって 世界がその辺を模索してることに変わりはない気がする。この乱高下がいつまで続くのか、そして どれだけその理由を作り続けるのか・・・このあたりも 今後を占ううえで、ひとつのツールになるのではなかろうか。