学問とは? 習うとは?

昨日に続き、橋本佐内氏を紹介したい。彼の言葉にこのようなものがある。「人として踏み行うべき 正しい筋道を修行するのが学問である。学とは ”ならう” であり、優れた人物の立派な行いを習い、自らもそれを実行していくことになる。」

また彼には、西郷隆盛との間にこんな逸話が残っている。ある日、西郷隆盛のところへ小柄な男が訪ねてきた。「大した人物ではあるまい」と判断した西郷は、所用が済むまで彼を長く待たせたが、その男の話を聞くうち いたく感服していった。翌日、人を見た目だけで判断したことを反省した西郷は、彼の元を訪れ、昨日の非礼を詫びたとされているが、この小柄な男こそが橋本佐内なのだ。

筆者には、見習うべき立派な人物がたくさんいたし、多くの仕事をご一緒させてもいただいた。彼らには、自らの出自や学歴・経歴など一度も聞かれたことがない。ただ等身大の荒削りな自分をそのまま受け入れてもらっただけである。たいていは5分も話をすれば「一緒にやろう」と言ってももらえた。そして、やってきたのは“彼らと同様の行い”であり、そこから学んだのは、まさしく人として踏み行うべき正しい筋道であった。

さて、いま現在、若者に対して『仕事や知識・経験などの上辺ではなく、その人格だけで影響を及ぼせるだけの度量を持つ人物』がどれだけいらっしゃるだろうか。改めて考えてみると、恵まれてきた自分の境遇を再確認するとともに、学校やご家庭、職場でも・・・学問とは? 習うとは? なにかを、今一度 見直す時期に差し掛かっているような気がしてならないのだが。