Liza Minnelli - NEW YORK, NEW YORK

筆者の幼少時代のアイドルといえば、ライザ・ミネリLiza Minnelli)である。はじめて彼女のステージをTVで観た時の衝撃はいまだ鮮明だ。一時はウィルス性の脳炎を患い体重も増えて声もでなくなり、歌手生命も危ぶまれたが現在は復帰。米国を代表する女優・シンガーとして今も活躍中である。

いったい彼女の可憐さや華ってどこからくるのか? それは刹那とも呼べるほどの必死さから醸し出さるのではなかろうか。こんなステージを2時間近くこなしたら・・・もうフラフラで、楽屋に戻った時点で もはや立ち上がれないだろうし、声も出ないと思われる。けれど彼女はつねに全力で踊り、声を張り上げて笑顔を振りまく。指先まで神経が行き届いた 立ち振る舞いは息をのむほど美しく、後ろ姿はマイケル・ジャクソンさえ彷彿させる。

今ならわかるが、子供の頃に感じとったのは「これって人生そのものではないか」という殺気にも似た凄味ではなかったか。必死さ・・・ここに生きる事そのものがあり、そこからしか本物の華は生じない。底ぬけの明るさや可愛さの中に、何とも言えない侘しさや寂しさがにじみ出る! そんなエンターティメントの神髄にこそ、日本文化の真実や人生の意義もあるはずだ。嘘のない生き方とは、まさしく何事に対しても懸命なプロ意識から育まれる。