世の中はマーケットで出来ている

昨日、7月29日は「土用の丑(どようのうし)の日」だった。このマーケットが作られた経緯には諸説あるが、最も有名なのは「知人のうなぎ屋さんに相談された平賀源内が編み出した発明」というくだりではなかろうか。

たしかに・・・うなぎはビタミン豊富で、夏バテや食欲減退にも効果があるらしい。しかし当時は「夏場のうなぎって味が落ちるのでまったく売れなかった」そうである。(冬眠に備えて養分を貯える晩秋から初冬にかけてがうなぎの旬) つまり、そこには “最も売れない時期に、健康増進みたいな文句をつけてでも、なんとか売上を伸ばしたい” との思惑が見て取れるわけだ。

同様の事象は、ワインなどの例を挙げるまでもなく、あらゆるところに散見されるが・・・マーケターにとっては、このあたりが腕の見せ所といった感じなのだろうか? けれど個人的には『生産・流通関係者の都合に消費者を巻き込む』のはあまり好みではない。食品流通にもずいぶん関わってきたが、やはり「消費者には、最もおいしい時期においしいものを」が基本と考える次第だ。

ただ世間の流れに反して、こういった綺麗事を貫きたいのであれば、やはり大手へ籍を置くのは物理的にも無理であろう。世間で名の知れた高級料理店とも、ずいぶん喧々囂々のやり取りをしてきたが、えてして自分の趣旨って、集団のそれとは正反対になるものである。

いずれにしろ、世間ってマーケットで出来上がってるが、必ずしも個人がそこへ迎合する必要はないと考えている。これが当時、大手をドロップアウトした大きな理由のひとつでもあるし、個人でそれよりも壮大なものを作り上げようと志した経緯にもなっているが、経験上いえるのは『組織の中にいては、組織をコンサルティングできない』ということ。もしも何かを変革したいなら、集団へ属すより、個人が組織より大きくなる必要があるのは言うまでもない事だが。