目の前に迫る エボラウィルスの危機

米国内でエボラ感染による 初の死亡者が出た。西アフリカのリベリアからブリュッセル経由でテキサス入りし、ダラスで発症した40代の男性だそうだ。米国は“封じ込め”に自信を示しているが・・・はたしてそうだろうか? 思い起こされるのはサーズやインフルエンザ蔓延時における各国のコメントと実際の感染拡大状況とのギャップである。

そもそも人間に完全なウィルスの封じ込めなど出来るのか? 甚だ疑問だが・・・上記のケースにおいても、明確な接触が確認された人物に関しては観察も継続されてるが、そこに漏れがあった事は報道からも安易に窺い知れる。つまりは「水際での阻止を明言しながらも、現実にはわからないところもたくさんある」といった矛盾を抱える現状も見え隠れするわけだ。

米国研究チームの計算によると、今月末までにエボラ熱が到達する確率は、フランスが75%、英国が50%、ベルギーが40%、スペインとスイスは14%とされていた。しかし、すでにスペインでは、女性看護師がエボラウィルスに感染。さらに感染が疑われる数十人の特定作業に追われている状況だとも聞く。

また先日は、インド紙タイムズ・オブ・インディアに「インド北東部マニプール州で旅行中の日本人女性にエボラ感染の疑いが出て、現地の病院で隔離されている」と報もありヒヤリとしたが・・・いまのところは、血液検査で感染の有無を確認中の段階で「現在、エボラ熱の症状は出ていない。検査結果が陰性ならやがて隔離は解除される」との事である。

筆者は ある感染症撲滅を目指す 社団法人のアドバイザーも務めているので、こういう情報には敏感にならざるを得ないが・・・それでも、もはやエボラの脅威が目の前に迫っているのは確実であろう。何事もなければそれで良い。しかし、それでホッとしていてはこの先も思いやられる。

世界は、科学的根拠のない環境保全マーケットや 陰険な資源ビジネスの画策なんかしてるより、一刻も早くエボラの対処にこそ全力を挙げるべきではなかろうか。自然界のウィルスは、人がその狡猾さで誘導できる経済ほど甘くはないはずだ。このままでは、どうでも良いものにうつつを抜かしてる間に取り返しのつかない事になりかねない。