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トヨタ女性役員 オキシコドン輸入で逮捕

トヨタ自動車の女性常務役員として話題になった ジュリー・ハンプ氏が、麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された。容疑は、処方箋なしでは入手できない「オキシコドン」という鎮痛剤の密輸である。

ちなみに、オキシコドンは鎮痛剤の一種で、アヘン成分のテバインから合成され、国内では、おもに末期ガンの痛み止めとして使用されており、その効果はじつにモルヒネの1.5倍もあるらしいが・・これを吸引すると、ヘロインに似た感覚が得られるため、米国では麻薬の代わりに使用するケースが増え、中毒者による薬局強盗。医師や薬剤師の流用および乱用。違法なネット販売などに歯止めがかからない状況が社会問題化してるとも聞く。

著名人では、エルヴィス・プレスリー氏やマイケル・ジャクソン氏など、多数が乱用してたとの噂もあり、メディアでは いろいろ面白半分に報道されてるが、あまり他人事だとタカをくくっていられないのが現状で・・米国ほどではないにしろ、国内でも似たような成分を持つ薬物は多々あるのが実情だ。

日本での代表的なものには、ナルコレプシー睡眠障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)などに処方されるリタリン」が挙げられており・・脳の中枢神経を興奮させる作用があるので、落ち込みの解消や不眠不休で仕事が出来たりと、その世界では需要が高く、一部では合法覚醒剤と呼ばれてたりもするそうである。

いずれにしろ、薬には怖い側面もある。これまではさまざまな事情から医療関係者への配慮がゆきすぎてたため・・患者の後々の生活は何も考慮されず、まるで薬を無料に近い形で安易に配布するかのごとき世情もあったのは確かであろう。そして、メディアや学者たちが『多くの薬が麻薬やそれに類するものから作られる』という現実を積極的に告知してこなかったのもまた事実だ。

しかし選択とは、すべての情報が公開され、なおかつ それを皆が認知してこそ初めて成されるもの。したがって、マーケットを構築するなら、この前提をはずしては考えられないはずで「購買者や患者の生活向上・健康のために」なんて お題目は立派でも、医学のことを何も知らない人々に《メディアや専門家が報道・告知しない自由を行使する》なら、ここに正当性のかけらもないのは明らかに思われる。

そういった意味では、これらの出来事は・・本来、経済とは一線を画すべき「製薬会社や病院などへ、経営やマーケットに関する自由度を与えすぎた結果」とも言えるが・・いつも、いつの時代も、企業・個人問わず、こういった “我がままへの行き過ぎた容認” があらゆる弊害となってきた経緯は変わらないはずである。

成熟した社会とは、意味不明のお題目や拡大解釈によって、あり得ないことを「それもあり」とするようなものではない。けれど、ここを変えるには、甘やかした子供をしつけし直すのと同じで、たいへんな反抗も予想される。いずれにしろ「世間は、なかなか一筋縄ではいかない ややこしい事象を数多く作ってしまったものだ」と、逆に感心せずにはいられないが・・それならそれで、いっそのこと全部チャラにして、社会構造そのものを最初からデザインし直さねば埒があかないような気もするのだが。