謎多き、天津の大爆発

中国・天津市の港湾部で、12日に起きた大規模爆発は、写真で見るかぎり、現場に大きなクレーターを残すほどの規模だったらしい。天津市当局は「事故現場に有害物質のシアン化ナトリウムが数百トン保管されていた」と発表しているが・・この物質が水に反応する事を知らず、すぐに現場へかけつけて消火活動にあたり、二度目の爆発に巻き込まれた消防隊員の方たちは本当にお気の毒である。

筆者も以前に天津では仕事をした事がある。このような一歩間違えば大惨事の現場近くに、ある程度の期間、滞在してたかと思うとゾッとするが、商社のビジネスとはそういうもの。(筆者も渡航が困難な危険地帯には何度も足を運んだ)それがたとえ、紛争地域だろうと、誰かが人質に取られたりしたとしても国は守ってくれない。自らが現地の長と交渉しながら、最前線で働くのが使命であり、自分の身は自分で守らねばならないのだ。

ただ、やはり、そういった国益に関する仕事は本来、公務員の方々のカテゴリーのはず。IT化が進めば、当然のごとく彼らの仕事も少なくなるわけで、将来は「国内はもういいから、海外で国益のためにゼロから仕事を作ってきてね」みたいになることが予測されるが・・その時、どれだけの方が公務員を志願されるのか? また、はたして彼らに商社マンのような過酷な仕事ができるのか? は、興味深いところでもある。

いずれにしろ、この事態にはいまだ謎が多い。情報統制された中国の出来事は、いつもこんな感じだが・・普通に考えれば、クレーターができるほどの爆発なんて通常の薬品とは考えがたい。そのあたりは「有毒物質あり」との一言で立ち入り禁止! ゆえに、おそらく今後も闇の中であろう。

青島や他の場所、タイなどでもガス爆発やテロなどがあったらしいが、そこには「これって、すべて事故じゃないのでは?」との憶測も出ている。経済が怪しくなって、権力維持に暗雲が立ちこめると、あちこちで紛争が勃発するのは世の常だが、一番怖いのは、情報がなく、推測が出来ずに先が読めないことだろう。

ここからは、いかに中国を国際社会の一員にするのか? が問題となるが、それはルールを守ることのみならず、ちゃんとした事実に基づく情報を開示するかどうか? にかかってくる。しかし、それって、日本においても同様なのが、何とも情けない次第だ。察するに、国というものはそういうものなのだろう。よって、商社の方々の命がけの仕事ぶりは、まだまだ今後も継続されるのではなかろうか。