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日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険が上場

日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の3社が本日、東京証券取引所1部に株式を上場した。注目を集めた初値はすべて上昇したそうだ。これは《一にも二にも経済》と事あるごとに言ってきた安倍政権にとっては追い風だが・・筆者のような職種の人間が思い出すのは、1987年のNTT上場に尽きるだろう。

郵政と同様に、親方日の丸だったNTT株上場によってバブル経済は始まった。NTT株価上昇のニュースを連日メディアが煽り「儲かる」と勘違いした一般の方が株に手を出した経緯は、現在の中国と同じである。買う人が多くなれば株価も上がり、その上昇分で容易に運営資金を手にできた企業は銀行からお金をまったく借りなくなる。貸し付け金利が儲けの銀行としては、もちろん経営できなくなり、相次いで顧客先を大衆へシフトするのも当然。「銀行がいくらでも金を貸してくれた商売とは無関係の一般人」は、株や土地・不動産・絵画などを買いあさり、さらにそれらの価格が高騰。ここに歯止めがきかなくなり、ついには官僚が融資をストップして、あえなくすべてが暴落してアウト。これが連鎖によるバブルの仕組みだったわけである。

さて、これらを高い授業料として人は学んだのだろうか。ちょっとそうは思えない。このような単純な仕組みで再度、同様の事態になるとは考えにくいが、もう少し、巧妙で複雑なものなら? おそらくは、また同じ事になるような気がする。最新の人工知能の研究では、人は2つ以上の感覚や事実が重なると、それを真実だと頭の中で錯覚してしまうこともわかっている。ならば、郵政株上昇だけではそうならずとも、他にもいくつか重ねってくれば・・またバブル再燃になるともかぎらない。げんに、都心の不動産価格は上がり続けているのだ。

人の習性とは、時代がすすんでもあまり変化しないものだ。過去と同様のやり方なら、それはパターンとして理解してるのでそうならずとも・・そこからはずれた新しい方法や、より難解な方策ならば、同じ結果が出るのも常である。まさしく経済やビジネスの肝もここにあり、新手の詐欺にひっかかる人がいまだ後を絶たない原理もここにあるわけだが・・それがわかっているのなら、そんなことは禁じ手として、あえてやらない事。そんな自制心を持つのも経営者のひとつの資質と言えるだろう。しかし今の企業や政府・金融関係をみてると、そんな事の応酬しかないようにも感じられるし・・いずれにしろ、今後どうなるかはよくわからないのが現状に思われる。