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2016年の展望

昨年末に米国は、じつに40年間禁止してきた原油輸出を解禁し、FRBも7年ぶりにゼロ金利を解除したが・・これが何を示すのか? が、やはり今年を占う上で、最も重要なキーワードになってくるかもしれない。

もはや米国は、2014年にはサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国になっている。一部では原油価格の下落によるコスト問題を指摘するアナリストもいるが、それは一過性の出来事にすぎないと思われる。値下げ競争が長引けば、当然 原油市場は持久戦の様相を呈するわけで、くわえて生産拠点を陸続きの南米に移しつつある米国の動向まで加味すれば、中東にとって、これまで治安を担ってきた米国のフェードアウトは致命的になりかねず・・すなわち、経済体力の面からも、治安の意味からも、この勝負は、やる前から米国の勝ちは動かないのである。

しかし、そうなると困るのは、じつは欧州諸国も同じで・・さしたる産業もなく、金融や為替・ブロック経済などのあらゆる利権が生命線の彼らにとって、この事態は死活問題となりうる。最近の移民受け入れについても、たんなる労働力の確保では? といった見方もあるくらいだから、この点が今後は、世界が最も憂慮するべき事項になるのは間違いないだろう。

なぜなら当然、いま現在も直接的かつ間接的に、欧州が紛争に関わってる事実は誰でも知るところだが、利権を失った彼らが、今後さらなる実力行使に出てくることも想像に難くないからである。つまりこれは、世界中の紛争は米国が一人勝ちすればするほど、より激しくなる! ということでもあるわけだ。

さらに中国の動向も気になる。筆者は10年ほど前から関係者に対し「中国へはもう進出すべきではない」と申し上げてきたが、近年は中国経済の失速も目に見えて顕著になってきた。ゼロ金利政策を解除した米国は、これからも段階的に利上げする見通しだが、相対的にドル高になれば、元は益々苦しくなってくる。

もちろん、これは一つの要因にすぎないが、大方の見方として、中国は将来的にロシアの経過をなぞる! というのがスタンダードであろう。ようするに、ソ連が崩壊したように、やがてはいくつかの国に分散されてゆくはずだが、はたして、この過程で、ソ連のような奇跡的かつ緩やかな分裂は再現されるのだろうか。かの国の民の大量流出や戦争・紛争は発生しないのだろうか。

米国の一人勝ちは良いが・・世界はくれぐれも、強面の欧州における経済不況と中国事情が合わせ技となり、あらぬ事態が起こらぬよう、今後も注視を怠らず、正確な未来予測を、細心の注意をはらいながら正確に実行してゆかねばならないが・・ここに懸念があるとすれば、いつもの米国の・・最初は良いのだが、どこか詰めが甘く、最後はぐちゃぐちゃにしてしまう習性かもしれないなぁ。と思ったりする。

いずれにしろ、米国寄りからの変化なんてあり得ない日本も、その民族的を生かして、なるべく世界が事を荒立てないよう、いろいろと、真の意味での貢献を成すべき時代に差し掛かっているのではなかろうか。

それはさておいても、近未来の予測としては・・一時の3分の1になってしまった原油価格は、第二のリーマンショックを引き起こす可能性もはらんでおり、経済に関して言えば、これはシリア・イラクチャイナリスクより大きな影響を及ぼすようにも感じられる。もはや成り行きを見守る時期は過ぎ・・あらゆる手だてをこうじるべき時に差し掛かってきたことだけは間違いなさそうだ。

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