読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画『海賊とよばれた男』

百田尚樹氏の歴史経済小説を映像化した 映画『海賊とよばれた男』を観てきた。

主人公のモデルとなったのは、言わずと知れた 出光興産創業者の出光佐三氏である。彼は神戸大学在学中には外交官に・・と考えてたそうだが、実際は、従業員わずか3名の酒井商店へ丁稚として入店しており、当時の学友から批難の的になったとの話も漏れ聞こえる。(最近は、こういう志のある若者が皆無となり、皆がエスカレーター式の人生を望む傾向にあるようだが)

ストーリーに出てくる会社設立時の出資者は、当時、彼が家庭教師をしていた子供の父親で、資産家の日田重太郎氏であり、別荘を売却して得た設立資金を渡された際に「これはあなたにあげる。だから返さなくていいし利子もいらない。また、事業の報告もしなくてよい。君が好きに使え。」と言われたのはどうも事実みたいだ。(こういう“自らの目と感性を信じる出資者” もとんといなくなった。すぐに配当! リターン! が通常であろう)

また、敗戦直後の訓示「愚痴をやめよ。愚痴は泣きごとだ。戦争に負けたからと言って誇りを失ってはならない。すべてを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる。」も概ね史実どおりとされている。

そして、満鉄での海外石油メジャーとのいざこざ。自社所有の日章丸にて、英国と係争中のイランのアバダンから、ガソリンと軽油を満載して川崎へ入港したのも有名な話であり・・

英国資源メジャーとの係争の際に「この問題は国際紛争を起こしておりますが、私としては日本国民の一人として “俯仰天地に愧じない行動”【天の神に対しても 地の神に対しても、何ら恥ずべきところがない事】をもって終始することを裁判長にお誓いいたします。」と答弁したことも伝わっている。

そんな フランス文化勲章も受章した彼に終止一貫してたのは「何のために」ではなかろうか。つまり、何を目的としてるか? が常にはっきりしてたわけだが・・目的のためには、相手が政府機関や官僚だろうが、戦勝国だろうがおかまいなし。知恵と度胸と緻密さ。そして自らの行動や姿勢を皆へ示すことで乗り切る。それが彼の生きる筋であり、哲学だったようにも感じられる。

久しぶりに日本人らしさが随所にみられる素晴らしい映画だったが、このような社長なら、きっと誰もがついてゆくに違いないし、かくいう筆者も「こんな経営者とだったら、是非とも仕事をご一緒したいものだ。」と思った次第である。