インファレンス能力

以前の記事『コンサルタントの定義』において「優秀とされるコンサルタントには卓越した【インファレンス(inference)能力「ここまでは正しいと言えそうだ」と推論する能力】が求められる。なぜなら “帰納推論は 結局、演繹の幅に比例する” からだ。」と書いたことがある。

では いったい、このインファレンス能力とは そもそも どんなものなのだろう? 「地球から打ち上げたロケットが、月の引力を利用して そのまわりを周回し、再度 地球へ戻ってくる」ケースについて考えてみることにしよう。

その際に、もしもクルーが「これまでの成功例を集めて研鑽したから大丈夫」なんて そこらのコメンテーターや学者のような事を言ってたとしたらどうか? 私なら、そんないい加減な安全性のロケットには絶対に乗らない。なぜなら 大気の状態や太陽風の影響など 地球や宇宙の環境は、その都度 異なるのが当然だからだ。

ゆえに 本来は《地球のみならず、宇宙のあらゆる環境において・・それらすべてを加味しながら “もう一度、何事もなく地球へ戻って来られる” のを目的とした、無数の計算式に基づく 目的達成のために最も有効な方法論を確立としてはじき出す》必要が出てくるわけだが・・これをインファレンスと呼ぶのである。

物事に確実な事・・いわゆる絶対など存在しない。したがって 数学を用いて、あらゆる条件を “約” すなわち【≒】で、どれだけ多く結べるか? が問われる次第であり、10の事項を ≒ で結ぶより、数千個・数万個の事柄が ≒ で統合されてるほうが、確立も より高くなるのは明白であろう。

しかしながら ビジネスだけでなく、その他の事項に関しても・・誰かの成功例を踏襲したり、世情の動向を勝手に分析したりと【わずかばかりの情報で 事へあたる】のがほとんどに感じられる。けれど、これでは おそらく、失敗する確率のほうが極めて高くなるのは申し上げるまでもない事だ。

目的に対して「これに結びつけられる」と推測される事象に限りはないはず。ゆえに より演繹の幅を広げれば・・つまり経験則の種類と質を同時に高めてゆけば、それだけ成功の確率も高くなる! のは当たり前の話である。

つまり、孫正義氏などの優秀な経済人がよく述べる「その物事の成功確立に 70%以上のものがはじき出されれば、私は迷わず、これを実行する」の “その計算式の背景” には、数えきれないほどの要素がある! のであって・・そこはやはり、一般の方が言う確立とは雲泥の差がある! としても過言ではないだろう。

どれだけの事柄を ≒ で結べるか? それが「ここまでは正しいと言えそうだ」とのインファレンス能力を支えるなら “帰納推論が演繹の幅へ比例する” との見解もあながち間違いではなさそうである。